やや左派で独自路線を行く天才の時事放談
『日本人よ、目を覚ませ!』苫米地 英人著 書評
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著者の苫米地英人さんは脳機能学者。
稀有の天才としられ、コンピューター科学の分野で世界最高峰と言われるカーネギーメロン大学大学院に進み、10年に1人しか出ないといわれる計算言語学の博士号を全米で4人目、日本人として初の所得者になりました。
在学中には世界で最初の音声通訳システムを開発しています。
また、オウム事件において脱洗脳のエキスパートとして信者の脱洗脳や捜査に貢献したことでも知られています。
本書は多才な苫米地さんが政治について語っている本。
2011年3月の刊行で当時は民主党政権であり、鳩山内閣が早々に倒れ、菅内閣に変わった時期で国民の期待が急速にしぼんでいった時期でした。
全部で5つの章から成っており、それぞれの内容は下記の通り。
・国家のゴールは「憲法」にある
・奪われる日本
・アメリカか、中国か
・マスコミが日本の未来を破壊する
・苫米地式ニッポン改造計画
全体の主張を読むと、アメリカ隷従批判、中国を本気で嫌って良いのかという提示、当時民主党だった小沢一郎に対するマスコミのバッシング批判など大枠は左派的な考え方の持ち主なのかなという印象。
一方で、日本の水を狙っている中国の実態や憲法改正のすすめなどその中においても独自の見解を述べられています。
一番強く訴えているのは、日本の支配者は官僚でさらにそれを支配しているのはアメリカ政府ということ。
苫米地さんの視点から見えているものがあるのでしょう。
最後に苫米地さんが日本改造にあたっての施策を提案しています。
道州制の導入、政府が破産宣言をすること、テレビ局の解体など。
いずれもかなり過激であり、実現するにはかなりの困難を伴うだろうなという感想です。
後書きにおいて、苫米地さんは30代・40代の政治家は期待が持てると述べ、私たち日本人最大の洗脳は、「どうせ変わらない」という思い込みであると伝えています。
私は大学の時、政治学を学んだこともあり元々政治に対する関心はとても強いのですが、「変わらない」という考えを捨て、自分の範囲内で何が出来るかを考えてみるよいきっかけになりました。
こんな人におススメ!
・稀有の天才の政策を知りたい人
・今の日本を支配している組織を知りたい人
・日本国憲法についてより詳しく学びたい人
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読書日:2014年9月
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