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30年近く韓国に住んでいる日本人の等身大の韓国人論

『死ぬ前に伝えておきたい韓国人の本質』後藤吉助著 書評

 

『死ぬ前に伝えておきたい韓国人の本質』後藤吉助著

 

サイト管理人の評価

 

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著者の後藤吉助さんは60歳の時に在日韓国人である奥さんと一緒に韓国に移り住み、以来30年近く韓国で暮らしている方です。

 

本書はそんな後藤さんが韓国人の実情をありのままに伝えようという意図のもとで書かれ、韓国人の良い点も悪い点も余すところなく紹介しています。

 

後藤さんは、本書を日韓の相互理解の一助にしたいと考えており、後藤さんが知っている韓国人は立派な方が多く、根が素朴で優しい人たちばかりであると述べています。

 

そもそも60歳になってから言葉も文化も全く違う国で生活する決断をするだけでも凄いことですね。

 

とても勇気のいることだと思います。

 

近年、嫌韓・嫌中が叫ばれていますが、私もボランティアなどで彼ら、彼女らと接していても良い人がとても多いという印象です。

 

政治と一般国民の感情には温度差があり、直接交流のない人はマスコミ報道のみで彼ら、彼女らをイメージしてしまうのでどうしてもバイアスがかかってしまうのではないかと懸念しています。

 

実際に付き合ってみると純粋で面倒見もいい人が多いのは間違いないです。

 

とはいえ、やはり日本人と韓国人は全く別の価値観、習慣を有しているのだなということが本書を読んでよくわかりました。

 

例えば、韓国人がよく口にする「ケンチャナヨ」という精神。

 

これは、「平気、平気」「大丈夫」「気にしない」という意味で、良く捉えればポジティブ思考になるのですが、何かトラブルが起きてもこの精神で済ましてしまうケースがあるそうです。

 

韓国では時々、信じられない事故やトラブルが起きますが、それもケンチャナヨ精神により、同じ失敗をしないための防止策などがあまり行われていないことが原因の1つとしてあるのでしょう。

 

同じ失敗を繰り返したり、進歩がみられなかったりという弊害が生まれているようです。

 

また、「恨(ハン)の文化」も韓国の特徴の1つとして知られています。

 

これは長年の歴史の中で異民族から度々侵略を受け、服従を余儀なくされたことが背景にあるようですが、「人を呪わば穴二つ」という真逆の価値観のことわざがある日本人からすれば理解し難い考え方です。

 

これらのことを考えると、お互い理解しあう上で、前提となる価値観が全く異なっているという認識を持つ必要があると思ってしまいます。

 

そんな中でも日韓友好親善のために尽くしたいと語る後藤さん。

 

それは、座右の銘である「この世では古今東西、左右、老若男女、善と悪、貴賤貧富に上下なし」という言葉に基づいているからだそうです。

 

私の実感としては市民レベルで相互理解をすることは可能であり、「冷政」といわれている今だからこそ、このような民間交流は強くしていくべきではないかと考えます。

 

そのためには、マスメディアのニュースを鵜呑みにせず、直接自分の目や耳で体感することが大切なのではないでしょうか。

 

こんな人におススメ!

・30年近く韓国で生活している著者のリアルな「韓国人論」を読みたい人
・日本人と韓国人の価値観の違いを理解しておきたい人
・日本と韓国の相互理解について関心がある人

 

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読書日:2015年1月

 

『死ぬ前に伝えておきたい韓国人の本質』後藤吉助著

 

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