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報道と実体験の違いは大きいと感じさせてくれる

『在中日本人108人のそれでも私たちが中国に住む理由』在中日本人108人プロジェクト編 書評

 

『在中日本人108人のそれでも私たちが中国に住む理由』在中日本人108人プロジェクト編

 

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2012年9月に尖閣諸島国有化を機に勃発した中国での大規模反日デモ。

 

本書はその一年後に発行され、大規模デモが起きた後も在住している日本人108人の「暮らし続ける理由」をまとめたものになっています。

 

私自身は2014年と2015年の2回、中国に行っています。

 

プライベートで知人に会いに行ったのですが、そこで知り合った友人やその家族が想像以上に優しく、思うことはいろいろありました。

 

それまではニュースや新聞などからの情報しか知りえなかった中国ですが、届いている情報というのは一部を切り取り拡大解釈して流しているのが実情なのではという感想です。

 

それはおそらく中国に届く日本の情報にもあてはまることなのかもしれません。

 

正直に言って、あまりそれまで中国に対し、良い印象を持っていなかったのですが、実際に行ってみると抱いていたイメージと大きく異なっていました。

 

そして、この本を読みその想いがますます強くなりました。

 

それは、反日デモに反対している中国の方も少なくなかったという事実です。

 

例えば、中国在住日本人に行ったアンケートでは約9割が「親しい中国人の態度は変わらなかった」と述べています。

 

「デモの非理性的な行動をお詫びをされることのほうが多かった」との回答もありました。

 

また、日本における報道と実際目に見える中国社会との間に8割の人が大きなギャップを感じたと答えています。

 

実際のニュースと現場の乖離を現地の多くの人は感じていたということになります。

 

また反日デモ以降のエピソードとして、中国人ベビーシッターの「私の仕事は子育て。子供を育てることにおいて国境はない」と述べたことや、中国人から携帯への激励ショートメッセージが500通以上・電話が200人以上の人から頂いた方もいました。

 

もちろん、反日デモにおいて日系サービスのお店がガラガラになったり、嫌な思いをされた方もいたそうです。

 

しかしそれはあまり接点のない中国人の方からの対応が多いそうで、交流を深め相互理解を進めていけばいつかはわかりあえる時が来るのではとも感じました。

 

2度ほど実際に訪れた私の中国人観は、政治や仕事など関係の浅い中では確かにいざこざはあるのかもしれないが、プライベートで信頼関係が出来るとまるで身内のように接してくれとことん優しくしてくれるというものです。

 

何はともあれ、実際に行ってみて、自分の軸で考え、感じ取ってみるというのは非常に大切なことなのではと考えます。

 

こんな人におススメ!

・報道と現地の人の感覚のギャップを知りたい人
・中国に関する知識を違った角度から学びたい人
・海外在住者の生活を知りたい人

 

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読書日:2015年4月

 

『在中日本人108人のそれでも私たちが中国に住む理由』在中日本人108人プロジェクト編

 

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