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表には出てこない中国の歪みを現場からレポート

『テレビに映る中国の97%は嘘である』小林史憲著 書評

 

『テレビに映る中国の97%は嘘である』小林史憲著

 

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著者の小林史憲さんはテレビ東京プロデューサー。

 

4年半の滞在中に中国全ての省・自治区・直轄市・特別行政区を訪れ、当局に21回も拘束された経験を持ちます。

 

その滞在時に取材を行った成果となったのが本書になります。

 

私も2度ほど中国を訪れたことがあり、13億もの人を統治する国であるがゆえの歪みのようなものを何となく感じました。

 

そんな感覚を小林さんは具体的にレポートしています。

 

小林さんは本書の中で「共産党と民衆、漢族と少数民族、中央と地方など様々な対立構造の中で複雑な問題を抱え、人々は本音と建て前を使い分けながら生きている」と語ります。

 

中国に行った時に感じた全てを飲み読むような雑多で、何となく感じる危うさはこういうことだったんだなと思わせてくれます。

 

本書は6章から成り、中国の様々な問題を取り上げています。

 

「反日デモの最前線」「中国一の金持村」「ワイロとニセモノ」「チベット族と漢族」「毒ギョーザ事件の犯人」「中朝国境」といった具合です。

 

読んでみると中国は既に統制が効かなくなってきており、様々な社会問題になって噴出していることがわかります。

 

そして、そんな混沌とした国家の中で、人々は「生き抜く」ということについてむき出しになって取り組んでいる印象をうけるのです。

 

そこにはどうにもならない格差が横たわっており、それでも必死になって生きていこうとする国民がいます。

 

今後中国はどのようになっていくのか?これだけ多くの問題が内包されているため、ずっと平穏無事というわけにはいかないでしょう。共

 

産党が隠そうとしている「本当の中国」が書かれています。

 

こんな人におススメ!

・行かないとわからない中国の実態を知りたい人
・2012年「反日デモ」の現場での模様を知りたい人
・中国社会に内蔵している諸問題を把握しておきたい人

 

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読書日:2014年6月

 

『テレビに映る中国の97%は嘘である』小林史憲著

 

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