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日中を熟知する比較文化学者による食についてのエッセイ

『中国人の胃袋-日中食文化考』張競著 書評

 

『中国人の胃袋-日中食文化考』張競著

 

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著者の張競さんは上海生まれ。現在は明治大学にて比較文化学の教授をされています。

 

本書は食をめぐる日本と中国の文化の違いをテーマにしており、日本の滞在も長いため、フラットに両食文化の良いところ、悪いところを論じています。

 

私は昨年と今年2度ほど中国に行きました。

 

現地の人に美味しいお店に連れて行ってもらいましたが、味も洗練されており、経済発展に伴い食文化も向上しているのではという印象です。

 

火鍋のお店などでは目の前で麺を引き延ばしてくれるパフォーマンスなどもあり、また、行った街「瀋陽」は宇都宮餃子発祥の地ともいわれるだけあり、バラエティー豊かな餃子を食べることが出来ました。

 

いずれも美味しく頂くことが出来ましたが、これは現地の人に良いお店を案内されたという点が大きいのかもしれませんね。

 

本書は様々な食材を取り上げており、楽しく興味を保ちながら読み進めることが出来ます。

 

スッポンやラーメン、紹興酒に中国風おにぎり、食の歳時記など話題は豊富です。

 

読み終わって、中国の食に対する好奇心は尋常ではないくらい旺盛であるということがわかりました。

 

接待において、接待する側があの手この手を使って新奇なメニューを考えだそうとして、ヘビ料理や犬肉料理が生まれ、キジ、雁、クジャク、シカや野兎などが食卓にのぼるようになったそうです。

 

このあたりに好奇心の強さが伺えます。

 

また、張競さんによるとここ十数年来、中国の食文化はかってないほどの大変化が起きているそうです。

 

確かに、スターバックスなど欧米の飲食店がだいぶ増えているなという印象でした。

 

この変化の流れは仕方がないなと思いつつ、伝統的な中華料理の文化はこのまま残してほしいと願っています。

 

こんな人におススメ!

・中国の食文化について知りたい人
・中国への旅行を予定している人
・食べるのが好きな人

 

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読書日:2015年7月

 

『中国人の胃袋-日中食文化考』張競著

 

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