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中国ビジネスで再起不能になるまで吸い取られる恐ろしい現実

『コラァ!中国、いい加減にしろ!』辻本 貴一著 書評

 

『コラァ!中国、いい加減にしろ!』辻本 貴一著

 

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著者の辻本 貴一さんは中国ビジネスを20数年行い、その体験を元に中国人の実態を書いたのが本書です。

 

2006年に中国工賃の高騰と治安の悪化、地方役人の脅しのため中国ビジネスからは完全撤退しています。

 

元々辻本さんは中国とビジネスで関わる前は、中国のイメージとして「論語」や漢詩の影響から、親近感や尊敬の念すら抱いていたそうです。

 

しかしながら、ビジネスで経験した中国人のやり口は一言で言えば「相手の弱みを握る」ことが行動原理になっているそうで、抱いていたイメージはボロボロと崩れていったとのこと。

 

本書ではそんな中国人の恐ろしいエピソードが満載になっています。

 

出てくる話は驚きの連続。我々が当たり前と考えていることが実は他の国ではそうではなかったということが良く分かります。

 

「常識が通用しない」ということなのでしょう。

 

・成都行きのボロボロの飛行機は墜落した時が廃棄の時

 

・中国で20年くらい工場を続けている間に「ゴメンナサイ」と素直に謝った人に会ったことがない

 

・中国へ出張した者は5星ホテルの水さえ飲まない

 

・中国政府の法律や規定がころころ変わり、契約がいとも簡単に変更を迫られ、紙屑同然に破棄される

 

・中国は卒業証書など簡単に偽装出来る

 

といった具合です。

 

恐ろしいことは、中国に進出した中小企業の多くが中国に対して誤った見識を持ち、簡単に騙されみぐるみはがされるまでになってしまうという事実。

 

中には自殺されてしまう方もいるようです。

 

辻本さんは、「日本の場合、10人のうち1人くらいは嘘つき、詐欺師がいるが、中国では金とビジネスが絡むと10人のうち11人がそのような人である」とさえ語っています。

 

そして、辻本さんは日本の政治家に対し、この異質な中国人を早く熟知しないとそのうち日本国が中国の一自治区になってしまうと警告しています。

 

20年以上も中国ビジネスに関わってきたからこそその本質が見えている辻本さんの言葉は重く響きます。

 

『在中日本人108人のそれでも私たちが中国に住む理由』で私は自分の中国人観を伝えていますが、それは利害関係がない上での交流だからということなのでしょう。

 

同じような感覚で中国ビジネスを行うと手痛い目にあうと痛感しました。

 

とはいえ、中国はもちろん良い面もあると思います。著者が中国と関わり始めた20年前と状況が変化している部分もあるでしょう。

 

それでもなお本書は中国のマイナス面を徹底的に書ききったものであり、これはこれできちんと把握しておくべき真実なのであると感じます。

 

こんな人におススメ!

・中国ビジネスのリスクをしっかりと認識しておきたい人
・日本人の常識と全く異なる中国人観を身に着けて置きたい人
・中国人の生活の実態を把握しておきたい人

 

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読書日:2015年3月

 

『コラァ!中国、いい加減にしろ!』辻本 貴一著

 

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