トップページ > 【評価順】旅・海外体験の本> 【読書感想】『北京烈日 中国で考えた国家ビジョン2050』丹羽 宇一郎
少子化に向かう日本は今後どのようにするべきか
『北京烈日 中国で考えた国家ビジョン2050』丹羽 宇一郎著 書評
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著書の丹羽 宇一郎さんは伊藤忠商事元会長。
また2010年〜12年までの民主党政権時代に、初の民間出身駐中国大使となりました。
伊藤忠商事時代は多額の負債を抱かえた業績を過去最高の黒字を計上するまでに回復させ、中興の祖と呼ばれています。
しかしながら、中国大使の時はあまり良い評判はなくバッシングの嵐であったと記憶しています。
調べてみるとかなりの親中派のようであり、本書を読む時はこのあたりを勘案する必要があります。
さて、本書では2年間中国で過ごしてきた中で考えた世界や日本に対する提言をまとめています。
中国の人々と過ごした中で一番驚いたのは、広大な土地、4千年の歴史、14億人の人口といったスケールの大きさからくるものの見方なのだそうです。
この内容の通り、グローバルな視点と長期的な時間軸でこれからの日本について語っています。
読んでみて、現代の日本で一番深刻な問題は少子化であると改めて認識しました。
試算だと今後四十年間に四千万人減るとされており、1年間に百万人都市が一つずつ無くなる計算になるのです。
このような状況の中、経済や生活インフラがどこまで維持を続けられるのか心配になります。
また、丹羽さんは教育の重要性を訴えます。
それは、今の日本は商品のサービスや品質において世界から圧倒的な支持を得ており、その日本人への信頼は日本の教育のたまものであると実感しているからです。
教育をおざなりにすると日本の世界からの信頼は即座に消え去るとのことで、教育は世界的な観点から日本の生命線になっているということなのでしょう。
丹羽さんの提言は同意しかねる箇所ももちろんあるでしょう。
しかし、本書において様々な課題を投げかけており、特に少子化などは避けては通れない問題になっています。
これからの世界、日本について考えるにあたり良いきっかけとなる一冊です。
こんな人におススメ!
・これからの日本・世界を考えるうえでの材料が欲しい人
・前駐日大使の中国観を把握したい人
・日本の少子化の実情を知りたい人
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読書日:2015年6月
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