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3000年前から人の心は変わらない

『「荀子」人生で学ぶべきこと―我が心の師』竹村健一著 書評

 

『「荀子」人生で学ぶべきこと―我が心の師』竹村健一著

 

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評論家の武村健一さんは中国古典を「心の書」とし、心がしぼんだ時などに寝床やソファーに寝ころびながら中国の古典をひもといているそうです。

 

そして、その中でも荀子の教えがお気に入りであり、それは荀子が「性善説」に立っているからなのだとか。

 

本書はそんな竹村さんによる荀子の教えの解説書になります。

 

一読してみて驚いたのが今でもおおいに共感できる教えばかりであること。

 

『荀子』は3000年も前に出来た書なのですが、今読んでも古く感じる所が全くなく、「人の心」というのは不変なのだと感じました。

 

荀子の教えを幾つか紹介すると、

 

・何事に限らず、聞かないより聞く方がいい。ただ聞くより見る方がいい。ただ見るよりわかるほうがいい。ただわかるより実践するほうがいい。学問は実践してわかってはじめて意味がある。実践しなければたしかなことはわからない。

 

・君主の利益になるように、命令されるままに動く下臣を、「すなおな下臣」という。君子の利益にならない行動でも、命令されたからといってハイ、ハイと聞く下臣を「へつらいの下臣」という。たとえ命令に逆らってでも、君主の利益をはかる下臣、それが忠臣である。命令にも逆らい君主の利益も考えない下臣を、逆臣という。

 

・ものごとを観察するときは、観察する人の心が乱れていたのでは、しっかりと本当のところを見定めることは出来ないのだ。自分の心が定まっていないのに、どうして是非善悪を判断することが出来ようか。

 

いかがでしょうか?これらの教えに納得された方も多いのではないでしょうか。

 

中国古典というものは一読して終わりにするのではなく、竹村さんのように折に触れて何度も読み込み、自分のものにしてはじめて効果が出てくると思われます。

 

いわば即効性のないお薬のようなものです。

 

私もこの本を購入してから度々読み返していますが、空いた時間があれば少しページをめくってみるという習慣をつけてみると良いでしょう。

 

こんな人におススメ!

・中国古典で噛み砕いた解説が欲しい人
・中国古典の入門書を読みたい人
・竹村健一さんの考え方が知りたい人

 

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読書日:2014年5月

 

『「荀子」人生で学ぶべきこと―我が心の師』竹村健一著

 

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