トップページ > 【評価順】ビジネスの本> 【読書感想】『「星乃珈琲店」誕生物語』大林 豁史
スピードと変化、ニーズの追及が飲食店経営のポイントとなる
21世紀のブランドを創る 「星乃珈琲店」誕生物語 超積極策によるドトール日レスグループの復活劇 書評
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著者の大林豁史さんは、日本レストランシステム株式会社の創業者。
この会社について、それまで知らなかったのですが、「洋麺屋五右衛門」や「卵と私」、「麦とオリーブ」など実に35ブランドもの飲食チェーン店を保有する大手外食企業なのです。
また2007年10月にドトールコーヒーと経営統合し、ドトール・日レスホールディングが誕生。その会長にも就任しました。
本書は、2011年に誕生し、今や100店舗以上になったコーヒーチェーン店「星野珈琲店」の誕生から発展までが書かれています。
星野珈琲店については、時々行きますが、少し高級路線のコーヒーチェーンという印象で、アベノミクスの上昇に合わせ、支持を得たビジネスモデルなのかなという印象でした。
短期間で成功し、成長した飲食チェーン店の発展経緯について知りたく、手に取ってみました。
星野珈琲店誕生のきっかけは、2008年のリーマンショックにまで話はさかのぼります。
リーマンショックをきっかけに、会社の売上は下落を続けます。
あれだけの大不況は外食産業でも、大きな傷を受けたことがわかります。当時、不況の波は、すみずみまで浸透していたのです。
これがきっかけとなり、最前線から離れていた大林さんは、2010年に現場復帰を果たします。
売上減少を食い止めようとする異常事態の中で、誕生したのが、星野珈琲店であったのです。
しかしながら、1店目オープン時はまだまだ赤字続き。
パンケーキとスフレの新メニューがヒットし、このことがきっかけとなり、「ぐるなび」でのネット口コミが広がり、人気が高まることになったのです。
走りながら考えていく飲食店の業態は面白いと思いました。
軌道に乗せるためには、臨機応変にあの手この手でしかけを作り上げていく必要があるのでしょうね。
徐々に売上の基盤が出来、マスコミにも取り上げられるようになってからは、100店舗に向けてひた走っていきます。
この過程においても、駅ビルなど様々な立地で店舗を作り上げ、たくさんのチャレンジを行います。
もともと日本レストランシステムという会社は、土地を購入し、そこに様々な業態のお店を構えるスタンスとのこと。
これにより賃料を払う必要がなく、黒字になりやすい体質を作っているそうです。
そして、35もの飲食店ブランドがあるのはとても強み。一つのブランドがダメだったら、別のブランドに切り替えることが出来、打ち手がたくさんある印象を受けました。
全体的に思ったより、薄い内容かなとは思いましたが、飲食店経営の面白さと醍醐味を感じることが出来ました。
スピードと変化、世間のニーズを創造する力が大切になるのでしょうね。
こんな人におススメ!
・短期間で成長したコーヒーチェーン店の過程を知りたい人
・外食産業で働いている人
・「走りながら考える」ことについて学びたい人
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読書日:2016年5月
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