トップページ > 【評価順】ビジネスの本> 【読書感想】『JAL再建の真実』町田 徹
JAL破綻の経緯が詳しく書かれており、組織の興亡がわかる
『JAL再建の真実』町田 徹著 書評
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著書の町田徹さんは、日本経済新聞社に入社後、独立。
取材・執筆活動の傍ら、総務省タスクフォース委員や甲南大学講師も務めています。
そして、JALの崩壊をいち早くキャッチした人物として知られています。
「JAL再建」と聞くと、稲盛和夫さんの立て直し策(アメーバ経営)がフィーチャーされますが、本書ではむしろアッサリめの解説で、破たんに至る経緯をより詳しく語られており、大きな組織が崩れていく過程について、深く知ることが出来ます。
「JAL再建の真実」目次
第1章 隠れ破綻
第2章 最後の社長西松遥の闘い
第3章 引き金を引いた前原国土交通大臣
第4章 プレパッケージ型法的整理と稲盛和夫
稲盛さんの立て直しは第4章のみ。それまでは、JALの苦闘が書かれています。
そして、当時は政権運営が不慣れな民主党政権であり、政治家のエゴに振り回され続けて凋落に向かうJALの姿がありました。
人気取りのために政府の方針が二転三転し、不都合なことが起こると責任回避のために逃げてしまう。
そんな状況下で、JALも被害者であるという一面もあります。
しかし、稲盛氏の立て直しは、だらけきり、コスト意識が薄かった組織を劇的に変えました。
「当たり前のことを徹底的に突き詰める」というのは稲盛イズムを感じます。
坂道を転げ落ちるように組織が危機に向かっている様子が詳しくわかる一冊です。
こんな人におススメ!
・JAL破綻までの経緯と原因を詳しく知りたい人
・政府が倒産寸前の企業にどのように関わったか知りたい人
・航空業界の現状と今後の課題について知りたい人
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読書日:2016年5月
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