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タイトルに偽りなし!闘う男のビジネス論

『魂の経営』古森 重隆著 書評

 

『魂の経営』古森 重隆著

 

サイト管理人の評価

 

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著者の古森重隆さんは富士フイルムホールディングス代表取締役会長・CEO。

 

2000年に代表取締役社長、03年に代表取締役社長兼CEO、12年より現職に就任しました。

 

古森さんの功績は根幹事業であった写真フィルム市場がデジタル化の進展に伴い急速に縮小していく中、事業構造を大転換させ、液晶デイスプレイ材料や医療機器などの成長分野に注力。業績をV字回復させたことです。

 

本書ではその経緯や古森さんのビジネス哲学が書かれています。

 

根幹市場が急速にしぼんでいく。

 

それは本書の冒頭でも語られているように「車が売れなくなった自動車メーカー」「鉄が売れなくなった鉄鋼メーカー」と同じような事態であり、相当深刻な危機であるといえます。

 

実際、写真フィルム市場は2000年をピークに縮小し始め、10年後には世界の総需要は10分の1以下に。

 

2012年に最大手のコダック社は、米国連邦破産法の適用を申請したというからどれほど恐ろしい事態に陥っていたかがわかります。

 

そんな状況の中で社内構造を劇的に変え、成長企業へと変換させた古森さんの手腕は見事というほかありません。

 

古森さんは「すべて勝つか負けるかの戦い」であると本書で述べており、困難を前にして憤然と挑みに行く「闘う男」という印象を持ちました。

 

それでいながら、大儀や優しさという価値観も大事にされ、非常時のリーダーとしての資質が十分に備わっているタイプであるとお見受けしました。

 

腹のくくり方にもすごみを感じ、業界は違いますが、サイバーエージェントの藤田さんを想起させます。

 

巨大企業を大きく変え、成功をもたらすには、このくらい強烈なリーダーシップを発揮できる人ではないと務まらないのだろうなとも感じます。

 

多角化により新事業を伸ばす過程は学ぶべきポイントが多く、おおいにためになりました。

 

1つの事業に頼っているのは大きなリスクであり、個人ビジネスを手掛けている私にとって、ポートフォリオの組み方において参考になりました。

 

モチベーションの向上にもなり、ビジネスマンの方には是非一度読んでいただきたい一冊です。

 

こんな人におススメ!

・リーダーシップを学びたいビジネスマンの人
・社内構造の大転換の過程を知りたい人
・仕事でやる気を引き出したい人

 

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読書日:2015年5月

 

『魂の経営』古森 重隆著

 

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