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「儲け」の原理原則を貫く生粋の商売人

『俺は、中小企業のおやじ』鈴木 修著 書評

『俺は、中小企業のおやじ』鈴木 修著

サイト管理人の評価



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ビジネスパーソンであれば鈴木修さんの名前を知らない人はいないのではないでしょうか?

自動車メーカー、スズキ株式会社で30年以上社長と会長を歴任(2015年6月に退任)。その期間スズキの売上高は約3,000億円から3兆円へと約10倍に伸びました。

さらに売り上げ構成比において、海外は77%に。特にインドで強いという特徴があります。

中興の祖ともいえる人物です。

本書では、鈴木さんが数々の苦境を乗り越えてきた経験と独自の経営哲学をあますことなく語っています。

読んでみて強く印象に残ったことは、鈴木さんは「儲け」の原理原則を貫く根っからの商売人であり、たまたま扱った商品が車だったのにすぎず、どんな業界にいても成功する人だったのではないかということ。

鈴木さんは「儲け」についての考え方で、ある青果店のおやじさんの話が参考になっているそうです。

それは、2つのポケットが付いたエプロンをして、例えば今日仕入れてきたものが10万円なら、売上が10万円になるまでは「右のポケット」だけにおカネを入れてしまっておく。

売上が10万円を超えたらはじめて、超えた分のお金を「左のポケット」に入れる。

こうすることで利益をハッキリと確認出来、利益分だけを好きなように使えば失敗することはないということです。

自動車メーカーといえば巨額投資をするイメージがありますが、この原則を守っていれば赤字になることはありません。

このように「利益を出す」という事に対し、キッチリとした認識を持っている人がトップにいると強いであろうと感じます。

他、鈴木さんは徹底した現場主義であり、このようなことからもトヨタの豊田氏や日産のカルロスゴーン氏とは異なる資質を持つ経営者なのだということがわかります。

本書の良い所は自動車業界に限らず、幅広い業界の人にとっても参考になる箇所が多いことです。

こんな人におススメ!
・商売人としてしっかりと利益を出したいと考えている人
・30年以上経営を続ける人物の考え方を学びたい人
・自動車業界に興味・関心のある人

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読書日:2014年6月

『俺は、中小企業のおやじ』鈴木 修著

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