山田洋次監督と渥美清の奇跡の出会い
『きょうも涙の日が落ちる―渥美清のフーテン人生論』渥美清 書評
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2014年に会社を辞めてから『男はつらいよ』全49作を観ました。
国民的映画でありながらなかなか観る時間が取れず、評判だけを聞き「自由な時間が出来たら必ず観るぞ!」と思っていたのです。
観てみて渥美清さんの演技のうまさに圧倒されました。個性派俳優でありながら演技力で主演をはり続ける俳優は今はいないのではないでしょうか。
とりわけ話の巧みさが目を引きます。そんな寅さんの演技を観て、渥美清さんという人物に興味を持つように。
そんな過程で読んだ一冊になります。
本書では「渥美清さんが書いたエッセイ」「各界著名人との対談」「安岡章太郎さん・淀川長治さん・和田誠さんとのチャップリン、ロイドに関する対論」といった3部構成になっています。
エッセイではアフリカに訪問した時のことが書かれており、渥美清さんがアフリカ好きだったとは意外でした。
映画でしか知りえなかった渥美清さんの考え方や生活などが垣間見える内容です。
しかしながら全体として読後の印象は渥美清さんはやっぱり寅さんそのままだなということです。心根にある優しさも本当に寅さんです。
そもそも調べてみると、山田洋次監督は渥美清さんと会い、渥美清さんが語った様々なエピソードをもとに「フーテンの寅さん」が生まれたそうなので、渥美清さんの個性ありきで「寅さん」が誕生したのです。
そのように考えると渥美清さんと山田洋次監督との出会いは、渥美清さんが持つ潜在的な才能や魅力的な個性を最大限に爆発させた奇跡の出来事といえるのではないでしょうか。
渥美清さんというより寅さんのプライベート雑記というような印象を受けるほどです。
こんな人におススメ!
・渥美清さんの私的な一面を知りたい人
・寅さんが渥美清さんの性格とどれだけ似ているか知りたい人
・当時の一流文化人との対談を読みたい人
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読書日:2014年8月
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