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ファーストリテイリングが進化し続ける一因を探る
『ユニクロ 世界一をつかむ経営』月泉博著 書評
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私がとりわけ関心があり、興味の尽きない企業がユニクロを運営するファーストリテイリングです。
最初にユニクロの存在を知ったのは2000年前後のフリースブームでしたが、今や日本を代表するグローバル企業になっています。
本書によると「失われた20年」といわれていた状況下でも、約160倍もの売上成長を遂げているそうです。
「短期間でどのようにそこまで成長できたのか?」というテーマに興味が尽きることはありません。
本書は流通・商業の動向に詳しい著者がユニクロ成長の秘密を総合的に取り上げており、興味深く読むことが出来ました。
ヒートテックの開発秘話や広告宣伝、グローバル展開などあらゆるポイントを取り上げています。
本書の中でとりわけ参考になったのが、ユニクロの歴史を幾つかのステージに分け分析している章でした。
それは、柳井さんが代表になり、社員がどんどんと辞めていった「黎明期(1972年〜80年代)」から2010年以降の「第3停滞期と第4成長期の予兆」までが書かれています。
ここでわかることは、ユニクロは何度も停滞と成長を繰り返し、成長するたびにステージが高るなっていくということです。
課題が生まれ、それを都度突破してさらに拡大していく。このようなサイクルがユニクロにあることが見て取れるのです。
また、本書を読むと、ファーストリテイリングは過去、失敗も大変多いということもわかります。
例えば、ジーユーはサービス当初は大赤字だったり、初期の海外進出も撤退を多く経験しているのです。既に撤退した事業も少なくありません。
にも関わらず、成長を続けているファーストリテイリングという企業。その理由はトライアンドエラーのサイクルが尋常ではない速さで行われている点になるのでしょう。
失敗から学び、それを次に生かすまでの時間が異様に速い印象です。これにより他社より何倍も速いスピードで進化していけるのです。
ファーストリテイリングが進化し続ける一因を探ることの出来る一冊です。
こんな人におススメ!
・ユニクロの歴史を知りたい人
・世界展開や店舗運営、広告など総合的にユニクロを理解したい人
・ファーストリテイリングCEO柳井正さんの経営哲学を知りたい人
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読書日:2015年6月
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