IT勃興期のギラギラしていた時代を再現
『成金』堀江貴文著 書評
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堀江貴文さんのご自身の体験をベースにフィクション化した作品。
IT業界で巻き起こる欲望を描き切った『拝金』の続編になります。
本書は1990年代半ばから2000年前後までのIT勃興期を舞台に、企業買収を基軸に話が進行していきます。
堀江さんはあとがきで「90年代半ばから2000年前後のIT業界の熱気はすさまじかった。やったもん勝ちというよりやらないもん負け。とにかく誰もが高みを目指して突き進んでいた」と述べています。
この時私は化粧品メーカーに新卒で入り、広告宣伝の仕事をして、ネット広告にも関わっていたので当時の状況をリアルタイムに体験していました。
テレビや新聞など他のメディア企業に比べ、働いている人が圧倒的に若く、ストックオプションの上場益でたちまち大金持ちになるIT社員もいました。
そんな熱気におされ、IT企業に転職した経緯があります。
そのような状況ですので、この本に出てくる登場人物や企業がそれぞれ何をモデルにしているかはたちどころにわかってしまいました。
ただしこの時代を体感していた私にとって、やはり当時の現実の出来事の方がエキサイティングであったので却って退屈に感じてしまいました。
ストーリーもあまりこなれていない印象です。
読み手側がIT業界から離れていると、エキサイティングで楽しめるのかもしれないなとも思います。
しかしながらこの時期は今までのキャリアが全く関係なく、若くてもチャンスがゴロゴロと転がっていた時代でした。
一方で突如倒産するIT企業もあり、ドラスティックで激動の時代でもあったなと振り返ります。
そんな熱気を感じるにはうってつけの一冊であるといえるでしょう。
こんな人におススメ!
・IT勃興期の熱気を感じたい人
・企業買収の過程を知りたい人
・IT企業で働いている人
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読書日:2014年11月
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