村上春樹長編作品の原点は春樹さんらしさに溢れている
『羊をめぐる冒険』村上春樹著 書評
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村上春樹ファンの私としては当然既に読んだことのある作品。
旅行に行っていて、読書の時間がたっぷりあったので改めて読んでみようと思いました。
へたをすると20年ぶりくらいの再読かもしれません。
この作品は村上作品三作目にして初の長編小説として位置付けられています。
また、春樹さんはこの作品を書いたことで、これから小説家一本でやっていけるという確信を得ることが出来たと述べています。
ずっと新作を読み続けているので、文章の若さや浅さを感じてしまうかもと危惧していたのですが、それでも最後まで集中して読むことが出来ました。
この作品は春樹さんらしさが詰まっているという印象です。
耳専門のパーツモデルやいるかホテル支配人、羊博士などは村上作品ならではの登場人物ですし、当時こんなキャラクターを出す小説なんてなかったのではないでしょうか。
登場人物の無国籍なイメージが世界で受け入れられやすい土壌になっているのかもしれないとも感じます。
そして、話を読み進めていくと、どんどんと自分の内部に入り込んでいくという印象を受けます。
心の井戸を掘り進める感じです。この読書感も村上作品ならではです。
読み終えて、何よりもやっぱり村上作品は面白いと思いました。
原点であり、良さが十分に理解出来る物語になっているといえるでしょう。
こんな人におススメ!
・村上春樹さん初の長編小説を読みたい人
・村上春樹さんらしさがよく出ている物語を読みたい人
・自分の心に入り込むような物語を読みたい人
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読書日:2014年3月
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