「物語・イラスト・装丁」をワンセットにして楽しむ本
『ねむり』村上春樹著 書評
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久しぶりに村上春樹さんの短編を読みたくなり、薄くてあまり時間をかけずに読めるなと思い手に取った1冊です。
元々この作品は1989年に『眠り』というタイトルで発表しており、既に私も10年位前に読んでいます。
本書はこの『眠り』を文章的にヴァージョンアップさせたものなのだそうです。
春樹さんは時折過去の短編集を手直しして再度発表することがあり、その流れの1つといえるでしょう。
本書には他にも特徴があり、元々は『眠り』がドイツで単行本化され発売されたとき、ドイツ語訳版の本の装丁とイラストを春樹さんがとても気に入り、同じタイトルで日本語版を改めて出版したという経緯があるようです。
つまり、逆輸入のような形で再度発表されたわけです。
確かに、装丁とイラストは何ともミステリアスな独特のタッチで描かれています。
作品の雰囲気にマッチしており、どちらかというとインテリアとしても飾れるととてもお洒落な感じがしました。
肝心の物語については少し退屈だったかなというのが正直な所。
10年前に読んだときはとても面白く感じていたのですが。ねむれなくなる女性の話です。
これは、改めて読んだ時の私の体調というか状況が原因なのかもしれません。
最近はノンフィクションをよく読み、本当の話というのは小説よりも不思議な話が多いのでそのあたりに影響があるのかも。
とはいえ、物語だけではなく、装丁やイラストも一緒に楽しみたいという方には魅力的な仕上がりになっているといえるでしょう。
こんな人におススメ!
・村上春樹さんの作品を物語だけではなくイラストや装丁も合わせて楽しみたい人
・短時間で村上春樹さんの作品を読みたい人
・インテリアとして部屋に本を飾っておきたい人
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読書日:2014年1月
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