渡部先生の史観がしっかり入っている近代・現代史は是非、読んでほしい
『決定版・日本史』渡部 昇一著 書評
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渡部昇一先生は英語学を専門とする上智大学名誉教授。
学問に向き合う姿勢を書いた名著『知的生活の方法』の他、歴史にも精通し、数々の著作物を出されています。
本書は渡部先生による「日本の通史」。
数多くの文献を吸収して生まれた日本史観をしっかりと反映させた歴史書になっています。
扱う時代は下記のように分かれています。
・【古代】神話に見る日本人らしさの源流
・【中世】「男性原理」の武士の時代
・【近世】織田信長が開いた近世の扉
・【近代】明治維新に見る日本人の進取の気性
・【現代】「東京裁判史観」の呪縛
いずれの章もとても興味深く読むことが出来ます。古代に至っては、神話から日本の誕生について読み解いていきます。
そんな中、とても興味を惹かれたのは、近代から現代にかけての章。
南京大虐殺を象徴とする日本の自虐観について、しっかりと史実に基づき、異をとらえ、そもそもなぜ、このような事態が起きてしまったかについて理路整然と解説してくれるのです。
ちなみに南京大虐殺は蒋介石がまきちらしたデマであり、蒋介石や毛沢東が外国人記者と対談した約300回の記録では、この大虐殺に対しては一度も言及していません。
そんな中、南京大虐殺が言及されたのは、戦後の東京裁判の法廷においてであり、それはアメリカが宣伝材料として、当時のデマを引用したのだろうというのが渡部先生の推測になります。
渡部先生は最終章で、戦後に植え付けられてしまった自虐史観から抜け出し、誇り高き日本の再生を目指すよう提言されています。
歴史は勝者により、都合よく塗り替えられてしまうものであり、私たちは今一度、真実の歴史について知るべきではないかと感じました。
こんな人におススメ!
・古代から現代まで、日本の歴史の流れを確認したい人
・教科書ではわからない「歴史の真実」を知りたい人
・敗戦後、日本国民はどのようなバイアスがかけられたか知りたい人
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読書日:2016年1月
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