トップページ > 【評価順】ビジネスの本> 【読書感想】『1兆円を稼いだ男の仕事術』夏野 剛
業界に関係なく、「働くこと」について、多くの学びを得られる
『1兆円を稼いだ男の仕事術』夏野 剛著 書評
サイト管理人の評価
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著者の夏野剛さんは、松永真理さんらと共に、ドコモ「iモード」の生みの親として知られている人物です。
夏野さんはiモードビジネスにおける功績から、40歳の時に中途入社でありながら最年少で役員に就任。
異例の昇進となるもアッサリと退社し、現在はカドカワやグリーなど多くの企業の取締役や慶應義塾大学の教授など様々な活動をされています。
本書では、主にドコモ時代を中心に、夏野さんが何を心掛け、どのように仕事に臨んできたのかについて書かれています。
ちなみに、タイトルにある1兆円というのは、ドコモ時代の上司の「夏野がドコモにもたらした利益は、1兆円をくだらない」という言葉から来ているそうです。
本書を読み、「働く」ことについて、多くの気づきを得ることが出来ました。
私が感銘を受けたポイントをいくつか抜き出してみます。
■本書で参考になった主なポイント
・肩書をつけた権力者ではなく、実際にその組織を動かしている「実力者」を探し、アプローチせよ
・短期的な利益ではなく、消費者を徹底的に重視したビジネスモデルを構築していくべき
・変化を恐れず、誰もやっていないことに率先して手をつけることが、新しい価値の創造につながる
・「自分が成功を確信できていること」「論理的に筋道、理屈が通っていること」「社会、会社のためになっていること」が満たしていれば、徹底的にケンカをしてきた
・「快適な社会」の実現を最優先してビジネスに取り組む
・会社や資格は「道具」であり「目的」ではない
・「個人の富」を最優先するとロクなことにならない
全体を通して、夏野さんは純粋にビジネスが好な人物であり、あまり私欲のない方なのだなと感じました。
日本型社会にありがちな、「社内の派閥争い」や「事なかれ主義」などとは真逆の価値観を持ち、世の中に貢献出来る事業を一生懸命立ち上げる。
そして、やることがなくなれば潔く組織を去るというスタンスです。
夏野さんは信念のためなら徹底的にケンカし、そのため、社内外で敵も多いそうなのですが、これも「無欲」だからこそなせる行動なのでしょう。
夏野さんのような方は、今までの日本社会であれば異端児とみられていたかもしれません。
しかし市場がグローバルになり、インターネットにより日々変革が起きている現在の状況だと、このようなスタンスこそが、今後のスタンダードになりうるのではないでしょうか。
こんな人におススメ!
・「働く」ことについて気づきを得たいビジネスパーソン
・これからのワークスタイルについて考えてみたい人
・楽しく前向きに仕事がしたい人
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読書日:2016年1月
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