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死にかけていた組織を生まれ変わらせた改革者の物語

『ダメ虎を変えた!ぬるま湯組織に挑んだ、反骨の11年』野崎勝義著 書評

 

『ダメ虎を変えた!ぬるま湯組織に挑んだ、反骨の11年』野崎勝義著

 

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阪神電鉄で旅行部門一筋で働いていた著者の野崎勝義さんは1996年に阪神タイガースに球団常務として出向。2001年から2004年まで球団社長を務めた人物です。

 

出向当時、毎年下位だった阪神タイガースは2003年と2005年にリーグ制覇を達成。

 

野崎さんがタイガースにいた11年間で、組織を生まれ変わらせるまでの奮闘を書いたのが本書になります。

 

最初この本を見つけた時、社長の自慢話なのだろう位しか思いませんでした。

 

企業社長の書く本は自慢話に終始するものも多いですし、野球の成績なんて球団幹部が動いたところで変わることはないだろうと思っていたのです。

 

しかしながら一読してみて、この人は本当にすごいことをした人なんだなと理解し、また、裏方が動くことで球団はここまで強くなるんだと感じ入りました。

 

そもそも野崎さんが阪神タイガースに来た当時、万年下位の成績だったにも関わらず、社員は危機感を感じていなかったそうです。

 

それは、経営が黒字であったため。そして、戦力補強などで他球団と争うより、内部での評価を重んじるという志向が蔓延し、内部で責任の擦り付け合いが起きていたそうです。

 

いわば、ぬるま湯体質になっており、野崎さんはそこからメスを入れる決意をします。

 

元々野球に疎かった野崎さんは65冊もの野球書を読み、懐に辞表を入れて乗り込みます。覚悟の程がわかりますね。

 

以降、野崎さんは野村克也さんと星野仙一さんに監督要請、そして、金本、下柳、伊良部、ジェフ・ウィリアムスと大物を獲得することになるのです。

 

短期間でこれだけの人材を入れるというのは、当時のタイガースの組織内では相当な困難を極めたことでしょう。

 

それを断行させる野崎さんの覚悟があってこそだったようです。

 

他にも、公式サイトやグッズ、社内システムなどあらゆる面で改革を行っていきます。

 

そして、それらの結果が18年ぶりのリーグ優勝へとつながるのです。観客動員数も球団新記録であったとか。

 

ここまで結実させたのは、野崎さんが改革者であったからでしょう。

 

現状を良しとする組織の中だとどうしても無難に仕事をしようという考えが働いてしまうもの。

 

1人の改革者の登場で組織が蘇生していく過程が書かれ、多くの学びを得ることが出来る一冊です。

 

こんな人におススメ!

・ぬるま湯体質だった組織が生まれ変わる過程を知りたい人
・阪神が18年ぶりに優勝するまでのバックグラウンドを知りたい人
・発行した2011年当時のプロ野球界の課題を知りたい人

 

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読書日:2014年10月

 

『ダメ虎を変えた!ぬるま湯組織に挑んだ、反骨の11年』野崎勝義著

 

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