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2度の挫折がノーベル賞に導いた

『夢を実現する発想法』川口 淳一郎 山中 伸弥著 書評

 

『夢を実現する発想法』川口 淳一郎 山中 伸弥著

 

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IPS細胞を作り出すことに成功してノーベル医学・生理学賞を受賞した山中伸弥教授と小惑星探査機はやぶさでプロジェクトマネージャーを務めた川口淳一郎さんがそれぞれ「若き世代へのメッセージ」を書き、2人の対談集も収めた一冊。偉業を成し遂げた2人が贈るこれからの世代へのメッセージといった内容です。

 

比較的薄い本なので短時間で読み終えられるでしょう。

 

最も印象的だったのはノーベル賞を獲るまでになった山中教授は元々エリートであったわけでは決してなく、挫折を繰り返し、運命に導かれるようにIPS細胞に関わることになったということ。

 

「人生何が起こるかわからない」といいますがそれを地で行く人生であったということがわかります。

 

山中教授は大きく2度の挫折を経験しています。

 

最初の挫折は大学卒業時に整形外科医の臨床医になることを選び、研修医になっていた時。2人の指導医から「ジャマナカ」と呼ばれ続け自信をなくし、外科医の道を諦めたこと。

 

そして、2度目の挫折は研究者になると再び道を決め、サンフランシスコの研究所で三年間過ごしたものの、帰国後無為に日々を過ごしてしまい、外科医に戻ろうかとさえ考えたことです。

 

こうして気力をなくしていった時にたまたま奈良先端科学技術大学院大学の研究ポストに採用され、ここで始めた研究がIPS細胞への研究へと繋がっていったそうです。

 

山中教授は講演などでよく「九回失敗しないと、なかなか一回の成功が手に入らない」という話をされるそうで、何度か挫折を経験し、それが結果的に良い方向に向かった経験をご自身で持たれたからこそ生まれた言葉なのだろうと感じます。

 

こんな素晴らしいお二人の科学者は最初から決してエリートというわけではなかった。

 

このことは凡人の私にとても勇気を与えてくれます。

 

こんな人におススメ!

・一流の科学者も最初からエリートではなかったということを知りたい人
・自分のキャリアに悩んでいる人
・将来について考えている中高生の人

 

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読書日:2014年7月

 

『夢を実現する発想法』川口 淳一郎 山中 伸弥著

 

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