トップページ > 【評価順】ビジネスの本> 【読書感想】『小さく始めて1億売った ママ起業 私の方法』園田正世
「誰かの役に立つ」という視点こそ起業成功の必須条件
『小さく始めて1億売った ママ起業 私の方法』園田正世著 書評
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園田正世さんは3児の母。2000年から「北極しろくま堂」という屋号でベビー用スリングの販売を開始。ママ起業の第一歩となります。
スリングとは新生児から使えるアメリカ生まれのだっこひものこと。
1人で始めたこの事業は、ネットショップからスタートし、現在は百貨店や小売店でも販売するまでに拡大。
従業員も一時期は20人ほどになったそうです。
「ママ起業」という方法でありながら、起業した会社の95%は倒産したり廃業するなかで15年以上も続いている「北極しろくま堂」の事業。
本書ではこの事業の立ち上げから現在(2012年9月刊行)までの経緯やママ業と両立する秘訣、これからやりたいことなどを書き綴っています。
私はフリーという立場にあり、時間は十分にあるのでビジネスの立ち上げに興味があります。
しかし、大きな資金を投下するというよりは小資金から少しずつ行う個人ビジネスに魅力を感じます。
そんな中、『小さく初めて1億売った』という本のタイトルに惹かれ手に取った次第です。
園田さんが子育てをする専業主婦でありながら成功した秘訣。
それは、冒頭に書いてある、『「やりたいこと」「誰かの役に立ちたいこと」を「小さく始める」働き方こそ、主婦の起業の強みだと思う』という言葉に集約されている気がします。
これは主婦でなくても参考にするべきでしょう。
そもそも園田さんがベビー用スリングに目を付けたのはお産のイベントで欧米で既に広がりをみせていたスリングに出会い、使ってみたことからでした。
自分の体にかかる負担も少なく、魔法の布のようだと絶賛。
子育ての不安や不便のかなりの部分を解消できると感じ、「みんなにもこのスリングを教えてあげたい」という想いが始まりだったのです。
この時、起業とは考えていなかったというから面白いです。
個人輸入という形でスタートし、7万円で15本ほど購入。
最初はチラシ配布からでしたが、その後ホームページを用意、オリジナル商品販売、直営店の開店と多くの課題を乗り越えながら成長を遂げていきます。
一読してみて、園田さんがスリングに着目したところが一番の成功要因だったと思います。
商品自体がとても魅力的で、どんどん評判を呼び、事業も拡大していった。商品が独り歩きを始め、そのインフラを園田さんが整えていったという印象を受けます。
そこには主婦の目線があり、子育てをしているからこそ着眼出来たといえます。
起業で一番大切なのは冒頭で述べたように「誰かの役に立ちたい」ということが最も重要なのでしょう。
その役立つサービスが本当に世の中に必要であるならば、その商品が主体的になってビジネスチャンスを広げてくれるのではと本書を通じて思いました。
そもそも提供するサービスが世の中の誰かに役立つものであるかどうか。この視点を決して忘れないようにしたいものです。
こんな人におススメ!
・小資本からの起業を考えている人
・ネットビジネスを検討している主婦の人
・個人ビジネスの成功モデルから学びたい人
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読書日:2015年7月
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