読書の楽しさを伝えるための日々の記録

トップページ【評価順】旅・海外体験の本> 【読書感想】『北への旅 なつかしい風にむかって』椎名誠

北東北の魅力たっぷり!東京にはない日本の姿がここにある

『北への旅 なつかしい風にむかって』椎名誠著 書評

 

『北への旅 なつかしい風にむかって』椎名誠著

 

サイト管理人の評価

 

スポンサーリンク

 

北東北(青森県・秋田県・岩手県)を旅する内容で、『あやしい探検隊 北海道物乞い旅』の時のように大勢でワイワイガヤガヤ行くのではないため、実に静かにゆったりと時が流れていきます。

 

モノクロの写真も満載で現地の方々の素朴な表情にも味わいがあり人柄の良さがにじみ出ています。

 

北東北の魅力が満載でとても癒されます。

 

私は普段東京にいるので、北東北の情景があまりにも素晴らしく、同じ日本とは思えないくらいであると感じます。

 

例えば、電車の中で気軽に写真を撮らせてくれて、食べ物まで恵んでくれるなんて光景は東京では決してありえません。

 

写真は子供の姿が多いのですが、実にのびのびと良い表情をしています。

 

椎名さんは東北が好きであり、その理由の1つに都市部から奥に入ればまだ自然そのままの風景がいっぱいあると述べており、東京暮らしの私にとっては羨ましくもありました。

 

全編読んで、特に印象深い記述がありました。

 

それは、「人間は見慣れた風景の美しさには気がつかない『公式』みたいなものがある」という文です。

 

例えばチベット高地遊牧民は毎日頭の上に広がっている凄まじいくらいに大きくてすきとおった青空や、夜の広がりがそのまま輝いているような銀天の美しさをあまり認識していないとのことで、見慣れてしまうと感覚が鈍磨し有難味が感じないそうです。

 

これはなるほどなあと真実をついていると思いました。

 

実は私たちの周りにも素晴らしい景色が広がっており、しかしながら毎日の光景であるため何も感じなくなってしまっている。

 

その意味では外部の者だからこそ、北東北の景色に心地よさを感じることもあるのでしょう。

 

旅の楽しみを認識しつつ、今住んでいる場所の良さも改めて再認識すべきかなと思ったのでした。

 

こんな人におススメ!

・北東北(青森県・秋田県・岩手県)の魅力を写真と文で存分に味わいたい人
・都会の生活に疲れた人
・旅行が好きな人

 

スポンサーリンク

 

読書日:2015年2月

 

『北への旅 なつかしい風にむかって』椎名誠著

 

サイト管理人の評価