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23年間連載したエッセイ「赤マント」有終の美
『さらば新宿赤マント』椎名誠著 書評
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本書は『週刊文春』で掲載していた2ページの連載エッセイをまとめたもの。全24冊になりますが、今回でめでたく完結となりました。
連載開始は1990年。終了の2013年3月まで実に23年間続いていました。休載は海外からの原稿送信ミスの1回だけというからすごいことです。
イラストは椎名さんの高校の同級生である沢野ひとしさんが書き、黄金コンビによるエッセイでした。
1990年といえばバブルが崩壊した年。この年から私は読み続け7冊目位までは全て購入して読んでいました。
週刊文春を読む時も真っ先にこの連載から読んでいました。
最近は読んだり読まなかったりといった状況でしたが、あって当たり前と感じていた連載がなくなるのは喪失感を覚えますね。
23年目に突入したエッセイですが、相変わらずお元気。あっちこっちを探検したり旅行したり、合宿したり。
さらにはコンビニ強盗や自活料理やプロ野球改革や中国人力士やあちらこちらに関心を持ったり。
この行動と思考のエネルギー量が無尽蔵に原稿を書き続けられている源になっているのでしょう。
一方で、衰えが来ているなあという箇所もいくつかみられました。
お酒を飲んで椅子に座って寝込んでしまい倒れてしまったり、睡眠時間が短くなって遅く寝ても丑三つ時に目覚めたり…。
若い時は屈強で喧嘩も強かった椎名さんもお年を召されたなと。
それでも同年代(70歳を超えました!)と比較するととても若いということになるのでしょうね。
最終回は時々発作的に展開する座談会方式。
「みんな元気で。サヨーナラー。」と軽やかに去っていく赤マント。椎名さんらしい終わり方でした。
23年間に渡り、楽しませて頂いたことに敬意を表して☆5つ。
他誌でのエッセイがまだ連載されているので、引き続き楽しんで読みます!
こんな人におススメ!
・23年間続いた長寿エッセイ「赤マント」の最後を読みたい人
・椎名誠×沢野ひとしの黄金コンビのエッセイを読みたい人
・空いた時間に軽妙で楽しめるエッセイを求めている人
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読書日:2014年11月
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